野崎 淳平 山崎 理絵 塩崎 友里子 岩朝 一馬
患者さんが安心して手術を受けられるよう、質の高い周術期の麻酔・全身管理を心がけています。
麻酔科は、1979年(昭和54年)に開設されました。その後常勤医のいない時期もありましたが、現在は常勤の麻酔科医5人および徳島大学麻酔科の非常勤医師1名が麻酔業務に専従しています。
市民病院では、年間3,800例以上の手術症例があり、そのうち局所麻酔を除く2,450例あまりが麻酔科管理となっています(2021年度実績)。
当院で行われる手術検査症例において各科より麻酔科管理を依頼された症例
現在、徳島市民病院では、年間2,500例を越える麻酔科依頼の麻酔管理症例があります。
この一例一例に対して術前回診を行い、事前に麻酔計画を立て、十分な検討の後、全身麻酔や区域麻酔を実施しています。
術中は注意深い観察を行うとともに、異常発生時には迅速かつ適切な処置を施すことで、患者さんの安全を確保しています。
また、術後の疼痛管理を考慮した管理を術中から行っています。
全身麻酔と区域麻酔をそれぞれ単独で行う場合と、両者を併用する場合があります。
また、手術中の全身状態に応じて麻酔法を変更することもあります。
これらは、患者さんごとに、担当の麻酔科医が最も安全と考えられる麻酔法を選択します。
一般的な全身麻酔は静脈麻酔薬、筋弛緩薬により入眠後、気管挿管等により気道を確保し、吸入麻酔薬や静脈麻酔薬、鎮痛薬等を使用して手術中の麻酔を維持します。
最近では、痛みが強くなった時に、患者さん自身で使用できる鎮痛法があります。
硬膜外麻酔のカテーテル、または、点滴から痛みを和らげる薬が持続的に入っていて、それでも痛いと感じた時は、 さらに自分自身でボタンを押すことで、痛みを軽くすることができます。 この方法を患者管理鎮痛法(PCA)といいます。
当院でもこれらを使用して術後の疼痛緩和を積極的に行っています。
手術の痛みや不安を緩和し、術後疼痛にも配慮した質の高い周術期麻酔管理を目指しています。
そのため、全身麻酔のみならず全身麻酔にさまざまな区域麻酔 (硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔、末梢神経ブロック) や鎮痛薬の静脈投与を組み合わせた総合的な周術期の疼痛管理を行っています。
安心・安全を前提に、個々の状態やニーズに応じた周術期管理を心がけています。
手術や麻酔による患者さんの身体への侵襲を出来る限り少なくできるように頑張ります。
よろしくお願いいたします。
患者様が安心して手術を受け、術後快適に過ごせるような麻酔を目指していきます。
脳神経・脳血管 | 15 |
---|---|
胸腔・縦隔 | 68 |
上腹部内臓 | 186 |
下腹部内臓 | 596 |
帝王切開 | 21 |
頭頸部・咽喉部 | 245 |
胸壁・腹壁・会陰 | 205 |
脊椎 | 1 |
股関節・四肢(末梢神経を含む) | 1,008 |
その他 | 6 |
全身麻酔(吸入) | 全身麻酔(TIVA) | 鎮静 | なし | |
---|---|---|---|---|
硬膜外麻酔 | 255 | 85 | 0 | 0 |
硬膜外麻酔+脊髄クモ膜下麻酔 | 0 | 6 | 1 | 12 |
脊髄クモ膜下麻酔 | 7 | 20 | 2 | 4 |
伝達麻酔 | 482 | 177 | 0 | 0 |
その他局所麻酔 | 302 | 20 | 3 | 0 |
局所麻酔なし | 839 | 136 | 0 | 0 |
合計 | 1,885 | 444 | 6 | 16 |
男性 | 904例 |
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女性 | 1,447例 |