市民病院ボランティア 粟飯原 りりかさん
私は、夏休みを利用して徳島市民病院のボランティアに参加させていただきました。きっかけは、医療従事者を目指すという目標があったので、病院はどのような場所なのか、そこで働くには何が必要とされているのか、ということを実際の医療現場で感じてみたかったからです。
私が主に担当したのは、病院を受診された患者さんの院内案内や、車椅子を利用される患者さんの移動や受診の介助です。日常生活とは少し離れ、実際にボランティア活動の場に立つと、学ぶことがたくさんありました。 まず、自分から声をかけて行動することの大切さです。注意深く観察してみると、周囲の手助けを必要としていても、遠慮して一人で困っているような患者さんがいることが、わかるようになりました。そのような患者さんに、自ら声かけをして、「お手伝いしましょうか?」と話しかけると、皆安心したような笑顔で、「お願いします」と答えてくれました。このように「誰かが困っていることに気づけること。その人の役に立つために、自分にできることは何か。」と、考えることは、今までなかった経験であり、また患者さんの立場に立って、やってほしい支援をしてあげると、どんなに喜んでもらえるかを実感することができました。
また、がん患者さんや家族の方が集まり、互いのつらい気持ちや不安などを話す、患者サロンにも参加させていただき、がん患者さんとお話をする機会がありました。治療や、手術、術後の栄養管理の大変さや、それを支援する医療スタッフの方々の色々な取り組みの話を聞かせていただきました。そこでは、たくさんの不安を抱えた患者さん一人一人に対して、様々な方のサポートがあってこそ、患者さんが安心して受診できるのだと分かりました。また、患者さんが求めていることや、そこで働く医療スタッフの抱えた課題や大変さも目の当たりにすることができました。
今回、医療現場を肌で感じてみようと始めたボランティア活動でしたが、健康に普段生活している私自身も、いかに多くの方に支えられて、過ごしているかということに気付かされました。今回の経験は、私が将来の目標達成に向けてさらに頑張りたいと思う貴重な機会になりました。
最後に私のボランティア活動の希望を快く受け入れてくれ、各現場でご指導してくださった病院スタッフの方々に、心より感謝申し上げたいと思います。本当にお世話になりました。そしてありがとうございました。