市民病院ボランティア 高橋 利(とおる) さん
私は、これまでボランティアというと、自分の能力では難しそうという思い込みから、ずっと実践したことがありませんでした。丁度ボランティアについて考える機会があり、今度こそ実践してみようと思った時、目に留まったのが徳島市民病院での奉仕活動でした。私には、将来は医薬品を扱う仕事に携わりたいという希望があり、医療の現場がどういうものかを少しでも肌で感じたいと考えたからです。
私が担当した奉仕の内容は、主に外来患者さんに対する院内のご案内や、体の不自由な方や車椅子を必要とされる方のサポートです。また、病院内を巡回しながら各所の整理整頓したり、何か困っていそうな患者さんがいれば、適宜対応することも行いました。当初は病院内のことについて分からないことが多く、車椅子の扱い方についても知識が不足していました。しかし、病院スタッフの方々が親身に教えて下さり、だんだんと慣れていくことができました。車椅子を利用される患者さんで、付き添いの方だけでは負担が大きく対応が難しいと思われる場合もあります。その際は、私が検査や診察のための移動をサポートし、その間に患者さんや付き添いの方と接して色々とお話を伺う機会もありました。
患者さんとのコミュニケーションをいかに円滑に行うかということについて、実践を通じて学ぶことができました。積極的に声をかけながら、何を求められているかを把握することが重要ですが、私には対応できないことも多々ありました。そんな中で、先輩ボランティアの方々が患者さんの要望を的確に把握し、迅速に対応する様子がとても参考になりました。車椅子については、これまでは、ただ人を乗せて押すものだとしか認識していませんでした。実際には、利用者に座ったり立ったりして頂く際は車止めをするという注意点があることや、移動の際には声掛けをするという基本的なことを学ぶことができました。
今回、初めてボランティアをして感じたのは、これまでに感じたことのない達成感でした。無償の奉仕だからこそ得られる、独特な達成感だと思います。至らない所が多い自分が必要とされたり、感謝の言葉を頂いたりすると嬉しさと共に申し訳ない気持ちも湧いてきます。今後は、その至らない部分を修正しつつ、またボランティアに参加できればと考えています。
最後に、このような活動を受け入れて頂いた徳島市民病院と病院スタッフの方々に、深く感謝申し上げます。