小児科

診療科の紹介

急性期の小児疾患をはじめ、NICUを中心に地域の新生児医療も支えています。

小児科は、お子さんのかかりつけ医である地域の医療機関と連携して、主に疾患の精査や入院治療を行っています。一般小児科疾患は感染症が圧倒的に多いですが、それ以外にも幅広く小児の内科的疾患の治療に携わっています。

当院小児科は新生児医療に長年寄与しており、徳島県地域周産期母子医療センターとして24時間365日体制で新生児の治療を行っています。現在、NICU6床、GCU11床を有し、集中治療を必要とする在胎32週以降の院内出生児、近隣産婦人科からの新生児搬送、緊急母体搬送に対応しています。

また、当院出生児の1か月健診、早産・低出生体重児、新生児仮死、先天奇形症候群など、長期経過観察が必要な児を対象として発達外来を設け、発達・成長のフォローアップや予防接種を行っています。

外来診療は一般外来として、主に急性期の小児科疾患全般に対応しています。専門外来は(原則予約制)、新生児外来、発達外来、神経外来を開設し、専門性の必要な疾患、慢性疾患、定期的な経過観察が必要な疾患に対応しています。

主な疾患

  • 新生児疾患全般
  • 感染症
    • 肺炎・気管支炎、喉頭炎、急性胃腸炎、急性虫垂炎、尿路感染症、脳炎・髄膜炎、蜂窩織炎、敗血症など
  • 神経疾患
    • 熱性けいれん、痙攣重積、てんかん、発達障害
  • 腎疾患
    • 尿路感染症、水腎症・腎尿路奇形、腎炎、学校検尿異常
  • アレルギー疾患
    • 気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹
  • 消火器・消化管疾患
    • 肥厚性幽門狭窄症、炎症性腸疾患、腸重積
  • 代謝性疾患
    • 周期性嘔吐症、脱水症、低血糖症
  • 免疫疾患
    • 周期性発熱、川崎病、IgA血管炎
  • 内分泌疾患
    • 甲状腺疾患、低身長、思春期早発症、肥満症

診断、治療方針

気管支炎・肺炎

予防接種の普及から、肺炎球菌やインフルエンザ菌の細菌感染は減少し、ウイルス(ライノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなど)やマイコプラズマ、百日咳などの呼吸器感染が多くを占めるようになっています。

臨床症状、血液・血液ガス検査、胸部レントゲンなどから病巣や重症度を判断し、培養、抗原・抗体検査により原因病原体の特定に努めます。ウイルス性の場合は、輸液、吸入、吸引などの理学療法を中心とした対症療法を行い、細菌性が疑われる場合は抗菌剤の点滴または内服を行います。

症状により、ステロイド剤の使用、呼吸状態の悪化時には酸素吸入や呼吸器による呼吸管理を行うこともあります。

川崎病

4歳以下の乳幼児に多く、全身の血管に炎症が起こる原因不明の疾患です。
特徴的な症状は、高熱、眼球結膜充血、口唇発赤、イチゴ舌、体の発赤疹(乳児の場合はBCG 接種跡の発赤もみられる)、手足の腫れ、首のリンパ節腫脹です。

川崎病と診断あるいは強く疑われる場合、血液を固まりにくくするアスピリンの内服と、発熱から5日目に免疫グロブリンの投与を行います。
経過中に、心臓超音波検査で、冠動脈病変のチェックを行います。退院後も定期的に外来でのフォローが必要です。

新生児疾患

ハイリスク児
  • 早産低出生体重児
  • 極低出生体重児
  • Small for gestation age (SGA)児
  • 重症新生児仮死
  • 染色体異常などの先天奇形症候群
呼吸管理
  • 酸素療法
  • 気管挿管、肺サーファクタント気管内注入
  • 人工呼吸管理(IMV、SIMV)
  • 経鼻的持続陽圧換気(nasal CPAP、DPAP)
  • 高頻度振動換気(HFO)
  • ネイザルハイフロー(HFNC)
水分・栄養管理
  • 末梢輸液、中心静脈輸液(PIカテーテル挿入)
  • 経管栄養
呼吸障害
  • 新生児呼吸窮迫症候群
  • 新生児一過性多呼吸
  • 気胸
  • 胎便吸引症候群
  • 喉頭軟化症
  • 無呼吸発作
循環障害
  • 先天性心疾患
  • 動脈管開存症
    • →インドメタシン投与
  • 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
    • →一酸化窒素(NO)吸入療法
  • 胎児母胎間輸血症候群、双胎間輸血症候群
    • →貧血に対して輸血
脳神経疾患
  • 低酸素性虚血性脳症(HIE)
  • 新生児痙攣
  • 新生児頭蓋内出血
  • 脳室周囲白質軟化症
黄疸
  • 早発黄疸
  • 遷延性黄疸
  • 新生児溶血性疾患
  • 胆汁うっ滞
    • →光線療法、アルブミン投与、ガンマグロブリン療法、交換輸血
感染症
  • 先天感染症
  • 産道感染(GBS、大腸菌など
  • 敗血症
  • 髄膜炎
    • →抗菌剤の投与、抗ウイルス剤の投与
内分泌・代謝性疾患
  • 新生児低血糖
  • 新生児高インスリン血症
  • 糖尿病母体児
  • 高アンモニア血症
  • 先天代謝異常
  • 甲状腺機能低下症など
その他
  • 新生児消化管アレルギー
  • 未熟児貧血
  • 未熟児くる病
  • 未熟児網膜症
    • →レーザー治療
在宅医療計画
  • 経管栄養
  • 在宅酸素療法(HOT)
  • 訪問看護・在宅訪問医療との連携など

医師紹介

Dr.氏名
  • 岸 揚子きし あきこ

新生児から思春期まで幅広い年齢層の疾患に対して診療を行っています。
専門外来では脳波検査、頭部MRI検査を行い、てんかんなどを中心とした痙攣性疾患の診断、治療に携わっています。
また、最近では長引く頭痛、腹痛、食欲低下、倦怠感などを主訴に受診される子供が増えており、慢性化した症状に対しての精査、診断も行っています。


  • 診療科・役職小児科 総括部長 兼 地域周産期母子医療センター 副センター長
Dr.郷司 彩
  • 郷司 彩ごうじ あや

徳島大学病院より異動となりました。主に小児神経学と小児遺伝学を専門としております。ご家族と一緒に子どもたちが健やかに成長していくお手伝いができればと思っています。


  • 診療科・役職小児科 主任医長
Dr.市原 裕子
  • 市原 裕子いちはら ゆうこ

新生児やNICUを卒業されたお子さんを中心に、小児科一般の診療を行います。患者さんやご家族に寄り添った丁寧な診療を心がけます。


  • 診療科・役職小児科 主任医長

外来診療担当医師表

小児科

午前 一診
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
(診療科) 一般外来
(医師) 市原 裕子
午前 二診
(診療科) 一般外来 一般外来 一般外来 一般外来
(医師) 郷司 彩 岸 揚子 郷司 彩 岸 揚子
午後 一診
(診療科) 新生児 乳児検診
(医師) 市原 裕子 市原 裕子
午後 二診
(診療科) 神経・遺伝 神経・ストレス関連 神経・遺伝 神経・ストレス関連
(医師) 郷司 彩 岸 揚子 郷司 彩 岸 揚子

診療実績/学会施設認定

診療実績(2022年)

NICU
搬送・人工呼吸
母体搬送 10
新生児搬送 10
人工呼吸 16
体重別入院数
500g~ 999g 0
1,000g~1,499g 0
1,500g~1,999g 9
2,000g~2,499g 31
2,500g以上 351
総計
総計 391
小児科入院
感染症
病原体判明
マイコプラズマ感染症 1
RSウイルス感染症 6
ヒトメタニューモウイルス感染症 3
突発性発疹症 1
ノロウイルス感染症 2
呼吸器感染症
ウイルス性咽頭炎 5
急性気管支炎 6
喘息性気管支炎 3
誤嚥性肺炎 1
消化管感染症
細菌性腸炎 1
ウイルス性腸炎 4
その他
川崎病 1
アセトン血性嘔吐症 3
急性腎盂腎炎 1
総計
総計 38

学会施設認定

  • 小児科専門医研修施設
  • 徳島県地域周産期母子医療センター
  • 周産期専門医(新生児)暫定認定施設

診療科・部門・センター紹介